時代に寄り添う、水引らしさを。
水引と聞くと、祝儀袋や結納など華やかな水引細工が思い浮かびますが、その起源は古く、呼び名の由来も定かではありません。
今、その水引は、またひとつ時代の節目を迎えています。
屋号「micono Fiber art 」が”Mizuhiki art”でなく”Fiber art”なのは、そんな水引の起源から進化する先までを貫く名前を表します。
水引は、形を結んだら元に戻せない。だからこそ、誰にも触れられていないことの証となり「一度きり」という潔さと緊張感が生まれます。熟練の職人が結ぶ水引は、儚くも何かを守る強さが際立ち、まさに触れてはならない結界のようにも感じられます。水引による多様な表現は、人々の暮らしの中で育まれたカタチであり、はじまりには共通して人々の想いがあったことでしょう。言葉にせず何かに込めて伝える、日本人らしい静かなコミュニケーションともいえます。
古来より人々の根底に流れてきたものを感じとりながら、職人の現場で得た”水引らしさ”を生み出す技術を受け継ぎ、これからの水引の居場所を見つけていけたらと思います。