世に、未だ見ぬ水引アートを。

古代からの長い歴史を持つ水引。
実は、はじめから「水引(みずひき)」と呼ばれていたわけではありません。

贈答用の紅白の麻紐が日本に伝わり、後に和紙で作る技術が確立、髪結いの紐(元結)として庶民にも広まったのち断髪令による衰退で今度は装飾的な水引として発展、機械化が進み種類も増え、現代の私たちがよく知る祝儀袋や結納などの儀式に使われる華やかな水引になっていったというような過程があります。

そして、近頃では豪華な儀式がめっきり減ったことからも明らかなように、再び時代の波を超えていかねばならない進化の時だと感じています。

屋号の『micono Fiber art 』が、Mizuhiki art でなく Fiber art なのは、そんな水引の起源から進化する先までを貫く名前を表しています。

水引は、伝統や文化、結びに込められた想い、習わし、神聖さなど魅力的な言葉で紹介されることが多いですが、そういった言葉が使えるまでになった歴史を尊重した上で、micono Fiber art では、創作のアイディアにすることはあっても、自ら言葉では飾りません。

現場で伝えられてきた真実は当事者方しか本当の意味で理解できてはいないと思いますし、安易に言葉だけを借りて謳うことは、このネット社会においては尚更軽々しくできることではないからです。

私が創作の上で受け継いでいると言える唯一の伝統、次の時代まで持っていきたいものは水引の『線の美』です。
職人の現場で自分の目で見て体得してきた水引独自の『線の美』を生み出す様式を守り貫いていくこと、究極的にはこれ一点

  • 針金とも紐とも違う、弾力のある凛としたライン
  • 自立する空間的な立体が作れること
  • 長さ90cm太さ1mmという素材のミニマムさ
  • 手を加える程に傷む、儚さ繊細さ
  • 扱い方がダイレクトに現れる、嘘のつけない素材

この特性を活かし、用途が限定されにくいアートとしての水引表現を世に送り出していくことが、今後も水引を進化発展させていくために私ができることです。
そこで何か成し遂げられて初めて、本物の言葉が後から付いてくるものと思い、世の中にまだない水引アートを生み出す挑戦を続けています。